2024年のドローン免許制度改正から一年が経ち、2025年に向けて改めて試験内容をおさらいしておくことは重要です。
国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」を取得することで、特定飛行の許可・承認手続きが大幅に簡略化されます。
これから免許取得を目指す方、既に取得済みで更新を控えている方も、最新の試験概要を理解し、来るべきドローン社会に備えましょう。
ドローン免許制度の基本と種類
ドローン免許は正式には「無人航空機操縦者技能証明」と呼ばれ、機体認証を受けたドローンを特定飛行させるために必要な国家資格です。
この資格には、機体の重量や飛行方法に応じて「一等」と「二等」の2種類が存在します。
一等資格を取得すると、レベル4飛行(有人地帯での補助者なし目視外飛行)を含む、ほぼ全ての特定飛行が可能になります。
一方、二等資格は、レベル4飛行以外の特定飛行の許可・承認手続きを簡略化する効果があります。
ご自身の目指すキャリアや飛行目的に合わせて、必要な資格を選択することが求められます。
試験の構成:学科試験の概要
学科試験は、ドローンの飛行に必要な基本的な知識を問う内容となっており、一等・二等ともにCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。
出題範囲は、航空法規やドローンに関する専門知識、気象学、無線に関する基礎知識、そして安全管理体制など多岐にわたります。
特に、航空法規については改正が頻繁に行われるため、常に最新の情報を把握しておく必要があるでしょう。
合格基準は非公表ですが、概ね9割程度の正答率が目安とされています。
指定されたドローンスクール(登録講習機関)を修了している場合、試験科目の一部が免除される場合があります。
試験の構成:実地試験の内容
実地試験は実際にドローンを操縦し、安全かつ正確に飛行させる技能を評価するものです。
試験項目は、一等と二等で難易度が異なり、基本操作に加え、非常時の対応能力や機体点検の知識も含まれます。
例えば、二等ではホバリングや対面飛行、緊急着陸などが評価されますが、一等ではこれらに加えて、より高度な捜索飛行や物件投下などの応用的な操作が要求されます。
実地試験では定められた手順を遵守し、ミスなく遂行できるかが重要な評価ポイントになります。日頃から訓練を積み重ね、確実な操作技術を身につけておきましょう。
身体検査の基準と確認事項
ドローン操縦者としての適性を判断するために、学科試験と実地試験に加えて身体検査も課されます。
これは、ドローンを安全に飛行させる上で必要な視覚、聴覚、運動能力などが基準を満たしているかを確認するためのものです。
具体的には、視力は両眼で0.7以上、かつ一眼でそれぞれ0.3以上であること(矯正視力も可)、色覚が正常であることなどが定められています。
また、聴覚についても、日常会話が問題なく聞き取れる水準が必要です。
身体検査は、指定の様式に医師の診断を記載してもらう、または有効な自動車運転免許証の写しを提出するなどの方法で証明できます。
基準を事前に確認し、準備を進めるのが賢明です。
指定のドローンスクール(登録講習機関)を活用するメリット
ドローン免許を取得するにあたって、国土交通大臣が登録したドローンスクール(登録講習機関)を利用するという選択肢があります。
ドローンスクールを修了する最大のメリットは、試験の一部が免除される点です。具体的には、登録講習機関で十分な技能講習を受けると、国家試験における実地試験が免除されます。
これにより、国家試験では学科試験と身体検査のみを受験すればよくなり、合格へのハードルが大きく下がります。
また、体系的なカリキュラムに基づいた訓練を受けられるため、初心者でも効率良く、かつ安全に関する知識や技術を習得できるという利点も大きいです。
まとめ
2025年に向けたドローン免許の試験内容は、安全確保を重視した国家資格として確立されています。学科、実地、身体検査の全てで基準を満たすことで、初めて技能証明を取得できます。
特に実地試験は難易度が高いため、登録講習機関の活用や地道な訓練が合格への近道となるでしょう。最新の情報を確認し、万全の体制で試験に臨んでください。
